2018年7月6日金曜日

準備不足

3年生前期科目「市場と組織」では,賃金の仕組み,昇給の仕組みを解説した後,勤続昇給の理論,人的資本理論や知的熟練論を紹介し,最後に内部労働市場の成立と現状について解説するという3部構成を採っている。

第3のコーナーは非正規雇用の解説,内訳,背景,最近の動向,若年層問題について,2,3回費やしており,今年度もシラバス段階ではその予定にしていたが,たいていの学生は非正規雇用について2年生科目「社会政策論」で解説を受けているはずだから,重複が多いだろう。

そこで,今年度は内部労働市場の成立により正社員と非正規雇用の別が発生したことを説くだけに止め,非正規雇用一般の話は省略することにした。

その代わりに,非正規雇用と正社員との賃金格差に係わって,政府の働き方改革における同一労働同一賃金の進め方(ガイドライン)と職務評価による同一労働同一賃金の進み方双方を紹介することにした。
また,来週は,働き方改革関連法からその対象拡大案が脱落した裁量労働制についても実際の運用に関する調査研究を紹介することにしている。

初めて講義することなので,教材としての練り方が十分ではなく,また焦点もハッキリしなかった感がある。今年6月1日の最高裁判決における手当格差の合理・不合理判決の紹介,日本郵政の労組が今春闘で合意した手当 見直しの動き,そして2つの同一労働同一賃金案と盛りだくさんでその紹介だけで手一杯になった。
学生には焦点が曖昧で迷惑だったかも知れないが,最近の動向を念頭に,勤続昇給の有無,その合理性,不合理性を考える素材としては役立つのではないだろうか。

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