7月21日夜,つい最近,芥川賞を受賞した高橋弘希氏の処女作『指の骨』をKindle版で。
南方の島に送られた一等兵。
戦場で,野戦病院で,周囲が次々戦死,病死。
既に覚悟したつもりの死への想いが呼び戻される。
日本軍による島威圧の報を信じていたが,結局,野戦病院から撤収。動けない病人は僅かの食料,医薬品,手榴弾とともにおいて行かれる。
戦死者は形見として指を切り取られるが,行軍の果てに食糧も尽きると,やがて食肉も。
行軍の果てに自身の生存意識も薄れてくる。
戦争文学を読むのは初めてだが,乾いたタッチに引き込まれた。
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