今年6月に文科省が人文社会科学系や教員養成系の食傷・廃止を求める通知を出したからだが,
その前,13年度辺りから,各大学・学部とも。第3期中期目標を迎えるための「ミッション再定義」を文科省と交わすさ段階で,
様々な指摘,注文を受け,組織改革と学部の将来に不安を覚える教員が多かった。
その中でも人社系は交渉時に「泥舟」と揶揄され,規模縮小や方向転換を迫られてきた。
昨7月22日の読売新聞の論点スペシャルという欄では,「国立大学文系学部 どうする」と題打って,
数学者の藤原正彦氏と元文科相審議官で京大の副総長も経験されたK氏にこの問題に対する考えを聴き出したインタビューを載せている。
K氏は,その中で,
と提言している。
,K氏の発言を聴く限り,国立大学人社系の将来像は3つないし4つに区分されている。
1.旧帝大
学部を縮小し研究大学院に特化。
2.教員養成系学部
「統合」
2’教員養成系のゼロ免課程
「廃止」
3.「人間」「文化」「総合」 「国際」などの名前を冠した学部
「廃止・縮小」
しかし,上に名前の挙っていない学部がある。
文学部,経済学部,法学部だ。
具体的な名前が上がっていない,ということは最初の一般論「戦略的な規模縮小」が求められている,とも言えるが,「廃止」対象ではない。
どうやら,文法経は残しながら,旧帝大は研究と大学院教育専念,他は学部の規模を縮小しながら,現代的ニーズへも貢献を求められている(インタビューでは,一般論として,ベンチャー企業を興す人材の育成や地方経済を考える都市政策,途上国の人材養成への協力が国立大学の責務として指摘されている)。
これに対して,ゼロ免課程や「人間」「文化」「総合」 「国際」などの名前を冠した学部は,教員ポストを守るためにできた(経過的措置)として「廃止・縮小」を求めている。
名前が挙っていない人文学部は前者であろう。
旧高商系のように,経済学部を別にもつ人文学部もあるが,たいてい文学,法学,経済学の2,3領域が,文学部,法学部,経済学部にまでは発展しきれないで一学部を構成している。
決して教員養成過程や,旧教養部の転換ではない。
文科省の要請にすべて応じる必要もないし,体力もないが,
文科省が一様に「泥舟」「斜陽」と評してきた人社系も,4つないし5つの層に分れていることが明らかである。
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