2014年10月28日火曜日

暑さと冷たさ

10月25,26日と阪南大学経済理論学会第62回大会が開かれたため,前日から大阪にいた。

気候は暑かった。会場で座っていても汗を掻くほどだったが,議論に関する感想は別だった。
と言っても,報告が良くないという意味ではなく,自分の関心と学会のそれがずれているため,報告を聞くにもなかなか身が入らなかった。
もちろん,関心のある報告もあったが,出発する直前まで24日(金)締め切りの調査論文の作成に追われていたので,事前に報告要旨に目を通していたわけではないので,その場で報告を聞いても論試を十分把握できなかった。

学会主張流とのズレはともかくとして,
準備不足で,むしろ報告に接して勉強不足,勉強の必要性を再認識するのは毎度のことである。
むしろ刺激を受けたり,学会の潮流を肌で感じることが学会出張の大きな目的と言っても良い。

もちろんその他に全国の研究者から,特に顔なじみの研究者から他の大学の状況を知ることもそれはそれで有意義だ。
報告を聞いたからと言ってすぐ地域が蓄積されるわけではないが,「目次」「目次」くらいは頭に残る。

名所や話題のスポットに足を運ぶわけでもなく,
出張のもう的がぼやけることが多々あるが,情報を求めたい,という気持ちがあることは重要なのだろう。


帰りは阿部野橋からアベノハルカス仰ぎ見ただけだけで田中先生とバスで空港へ(26日)

2014年10月21日火曜日

数と割合

アベノミスクの踊り場

2014年10月18日土曜日

テーブル

宮城学院女子大で担当してる「経済社会特論」の,次回「資本蓄積」のスライドの導入部にアベノミスクの解説を4スライド作成してみた。
表に続くグラフは日経QuikのデータをExcelに読み込んで作図したもの。




夜も遅いので解説割愛。
(最近もアベノミクスについて加工としたら数日経って未だ完成させていない)

2014年10月8日水曜日

月が目に付く月


今月中旬締め切りのいらいげんこうのために,5月及び7月に行ったインタビューの音声ファイルを聞き返している。

以前も経験したが,時間が掛かる。
2時間のファイルを聞くのに時間が掛かる。
倍速で再生し,メモしたい箇所やハッキリ聞き取れない箇所だけ党則で聞き返してみるが,この繰り返し再生が1度では終わらない。2,3度繰り返し,それでも聞き取れないこともある。
そんなこんなで倍速再生のはずが,1/3再生になって,ほぼ半日潰れる。

疲れ果てて代える時には,普段は期に止めない丸い月が目に入る。写真は10月7日18時過ぎグランドに映った満月。

2014年10月6日月曜日

大学と高校

 
10月2日 宮城学院女子大学での「経済社会特論」。ここ数年,後期のみ担当しているが,綺麗で広々とした後者にウットリ。

午後は,県で一二を争う進学校,仙台二高を訪問。
進路指導の先生から,同高生徒の進路志望の状況についてお話を伺う。
ここでは細かなことは紹介できないが,理系傾斜の理由,文系に生徒が期待していることなど。

少し経って10月6日 先月半ば出張講義を行った山形南高より生徒の感想文届く。
やはり話の内容が年金の細かな仕組みに偏っていたかな,と反省。
他方で,年金問題の底にある社会の変化,例えば女性の社会進出などは伝わっ
ているように受け取れた。

大学と高校,教える内容もともかく,アプローチに大きな違いがあるように思う。
その意味で,大学の模擬授業を受けられるのは,受験勉強に終始しがちな高校生の進路選択にも有意義なのではないだろうか。



2014年10月2日木曜日

スコアとコメント

今週初め後期の,(担当学生との)アドバイザー懇談会が開かれ,
いよいよ後期の授業が始まった。

その直前の先週には,前期の基盤教育及び専門教育に対する学生の授業評価のスコア集計表と個別のアンケート票そのものが返却された。アンケート用紙の裏面は自由回答欄で,その授業の良かった点,悪かった点が記されている,

私の科目のスコアは例年決して高くない。
特に今年度前期は,持ち込んだノートPCの動きが不安定で,スライド上映に手間取ることが特定の科目で頻出していたので,スコアには期待はしていなかった。

ところが,驚いたことに基盤教育以外は昨年度よりも総合点が上昇している。僅かばかりであるが,。。。

参考になるのは実際のコメントだ。
科目毎に違う部分も多いが
担当科目に共通して指摘されていることも多い。

悪かった点は
・配布資料に載せた図表に不鮮明なところがある。
・話が一本調子。
・説明が難しい。
・確認問題の解答がわかりにくい時がある。(最後に択一式の内容確認問題を行ない,指名して答合わせをしているが,どれが正解かわからなかった,ということであろう)

良かった点としては,聞かれてわざと答なのかも知れないが,
・毎回の確認テストがあり,内容の確認になっている。また期末試験一本勝負ではない点が良い。
・レスポンスカードの質問はちょっとしたものでも必ず答えようとしてくれた。
・配布資料を事前にアップロードしてくれる。

なぜ若干でもスコアが上がったか,と考えてみると,
これまで質問・感想の受付をWebで行なっていたところを,
単純に紙のレスポンスカードに替えたことが大きく影響したのであろう。

全文読んでいるのは,Web入力でも,紙への記入でも変わりないが,
やはり紙ベースの方が,教師が学生に対し一対一で向かい合い,質問や要望に応えようとしている姿勢が学生にも伝わるのであろう。


中には「ノートPC買い替えて下さい」という身も蓋もないコメントや,
「専門用語を使わないと専門教育にならないとのことだが,興味を持って貰わないと,それ以前の問題になる」という厳しいコメントもあった。

一層の工夫が必要であろう。

母と母

最近,配偶者控除の廃止が話題になっている。
安倍政権は,昨夏の参院選マニフェストでは同控除の維持を公約していたが,
他方で,アベノミクスの成長戦略の1つとして,女性の就労促進を謳っている。
人口減少が予想される中で,女性の就労により,人手不足が経済成長のブレーキとなることを防いだり,
可処分所得の増加による市場の成長が期待されたり,あるいはまた社会保障の担い手拡大が期待されたりする,ということであろう。

その中で,女性の就労の妨げになっているとしばしば指摘されているのが,
社会保険における第3号被保険者の条件である「130万年の壁」であったり,
所得税における配偶者控除(あるいは配偶者勤め先の配偶者手当)の基準となっているなっている「103万円の壁」であったりする。

そこで,最新の「国民生活基礎調査」H25を閲覧してみた。


図7は,末子の年齢別の母親の就労状況だ。
・末子45歳児以上では働きに出ている母親の方が多数派であること
(3歳児は,会社役員,自営業主,家族従業員,内職等を合算したが「その他」の内訳次第で微妙)
・同2歳児以上では非正規雇用の方が正規雇用よりも多いこと
が分かる。

そもそも90年代に共稼ぎ世帯が片稼ぎ世帯を上回るようになった。
ただ,日本では,出産退社後の再就職は非正規雇用が多い。
図7で,末12歳児までは,正規雇用の比率の方が高いのは,育児休暇を利用して退職せずに済んだ母親が多いからであろう。



そして,末子の年齢別・母親の仕事有無別保育状況を示す図9によれば,
・仕事に就いている母親は,末子0歳時では父母による保育が多いが,1歳時からは認可保育園による保育が6割を超え,多数派であること。
・仕事に就いていない母親の場合には,父母保育と幼稚園保育が2歳児と3歳児で入れ替わること。

前者は育児休暇の間は家庭内保育,同休暇が切れる1歳から保育園保育に切り換えていることを示しているのであろうし,後者は羊地園の入園年齢(3歳の誕生日)を示しているのであろう。

こうしてみると,
・仕事の有無にかかわらず,家庭内保育から施設保育に切り換えるのが一般的である。
・その切換年齢は,母親が有業者の場合には育児休暇の年限,無業者の場合は幼稚園の入園年齢に規定されている。

では,待機児童問題もあり,育児休暇を長くすれば,保育所利用の年齢が延びるか,とも言えそうだが,
他方で,育児休暇が長いと,正社員としての復職の可能性が低下して,女性ないし夫婦にとっての出産のリスクが高まることになりかねない。

出産のリスクとは,具体的には,出産を機に職を離れざるを得ないとか,再就職しても正社員になりにくいということである。

その背景には,一時的であれ,職場離脱に厳しい慣習がある。
本人のキャリアを途切れさせず,企業にとっても教育投資をムダにしないためには,
状況により働き方を柔軟に選べる体制づくりが必要であろう。
現在は利殖したら復職は非正規雇用しかないと