2013年8月16日金曜日

オヤジとオカンの言うことは聴かんで良

今週発行の「基盤教育だより」に原稿を依頼された。
基盤教育の基幹科目については,「人間を考える」領域のディレクターと「強制を感ゲル」ディレス区ターが交替ごうたいに原稿を担当することになっており,今回は前者に回ってきたのである。

先週金曜日が締切りだったが,
8月上旬は採点と教免更新免許講習を済ませると,そのまま出張に出たため,締切りのことはスッカリ忘れていた。
盆明けの今朝投稿。
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タイトル「オヤジとオカンの言うことは聴かんで良い」

「基幹科目と教養科目の違いがわからない」
学生の相談ではない。外部評価委員のコメントである。

もっとも学外の委員は実際に授業を受けるわけではないのだから止むを得ない面
がある。

確かに同じ学問を基幹科目と教養科目で全く別の内容に見せかけたり,人間の行
なう学問を人間・共生2領域に使い分けたりする芸当は,相当の鍛錬と胆力を以
て初めて成しうることであって,各自専攻に忠実な教員には徒な期待,と言うべ
きだろう。

もっとも「内容は形式に宿る」という見方もある。

そういう目で基幹科目をみれば,その展開形態にはハッキリとした特徴がある。
授業は「人間を考える」と「共生を考える」に二分されている。
両領域前期に受講が義務づけられている。
その前期では「人間と考える」は月曜日1-2校時に,「共生を考える」は金曜日1
-2校時に開講が固定されている。(後期再履修は学部毎に枠指定)
学部によって進級・卒業条件として各領域1科目の履修を求めている。

進級ないし卒業条件に指定されているうえに開講時間帯が各領域1つしかないか
ら,ほとんど前期必修科目である。(学生には各領域のなかでの科目選択しかで
きない)
若者を強く拘束したがる頑固オヤジである。 (もっとも「後期のことは構わ
ん」と人の好い一面もある)

しかも,週明け朝1コマ目,週末前日朝1コマ目に固定されている。
「週末終わったら朝一番大学に登校しようよ」
「週末前だから午前中でも大学に顔を出そうか」
世話焼きオカンである。

学問とは問うことである。
常識,通説に安住していては学問にならない。
他方で,学問には手続きがある。
思いつきで自説を世に問うているのではない。
過去の学問の知見・枠組みを踏まえたうえでの営為,ディシプリンである。

「いよいよ大学生だぁ」「バイトにサークルだ」「親の目を気にせず夜更かし
だ」と解放された若者に,大学の勉強にはディシプリン(規律)があることを刷り
込もうとしているのが基幹科目,なのであろう



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