2023年8月24日木曜日
2023年8月22日火曜日
代講します。
S先生が産休に入られるのに伴い,急遽,本科目を担当することになりました。
1つお断りしなければならないのは,
S先生のシラバスをもとに既に4月時点で履修登録されたみなさんには申し訳ないですが,S先生と同じ講義メニューは提供できないということです。
S先生が丁寧に解説されているテキスト『現代経済の解読 第3版』の諸章の多くを,私はみなさんの多くが受講したであろう「資本主義経済理論II」で講義しているからです。
第2-5回「日本経済の歩み①-④」は2回に分けて講義しています(21年度は4回?)
第10回「日本型の社会保障制度」は21年度まとめシート2の教材にして出題していますし,社会保険と生活保護については雇用のセーフティ・ネットとして毎年詳しく解説してきました。
第13回「雇用の多様化」も,非正規雇用,若年層の雇用,裁量労働,限定正社員,同一労働同一賃金と詳しく解説しています。
代わりに,S先生の第4,5回,第11-13回を引き延ばして「日本型雇用とその課題」という観点から14回の講義にしようと考えています。
現在考えている講義メニューは次のようになります。
欧米は職務(ジョブ)の内容が明確な「ジョブ型雇用」であるのに対して,日本は社員(メンバー)であることが重視され,身分が保障される(終身雇用である)代わりに職務の内容が曖昧,あるいは無限定な(長時間労働,全国転勤が当たり前の)「メンバーシップ型雇用だとされています。
前半はその職務設定の違い,日本型雇用の特徴を賃金制度から見てゆきます。
後半はワーキングプア,男性片働きモデル等,日本型雇用の問題点を考察します。
現在,代わりのシラバス,初回ガイダンスの資料の準備をしており,出来次第アップロードします。
2023年8月20日日曜日
一休み
最近の,経済原論のテキスト(概説書)における特別剰余価値概念の超過利潤概念への統合現象を題材に,それが経済原論に投げかける問題を考える,が秋の学会報告の趣旨だ。
6月の西南部会報告は「わかりにくい」とのコメントを受けた。
統合論の投げかける方法論上の問題の検討に終始し,学問上の成果が見えにくい,と理解して,学問上の論争の1つを取り上げ,その問題への適用を試みた。その論点の選択に迷った。
昨日,第49回仙台経済学研究会で「特別剰余価値の超過利潤へ統合論が投げ掛ける諸問題」と題して報告してみた( 東北大学経済学部, 23/8/19)が,コメンテーターのT.O先生からのコメントは生産論の展開主体と特別剰余価値規定の意義に関するものであった。
具体的な論点の展開というより理論点の追加に終わって否か,全体の構成に無理があったのか再検討する必要があるが,この間,ろくに夏休みもなかったので一休みしたい。
2023年8月8日火曜日
旋回
8月7日 成績入力。ほとんどの担当科目について7月末には毎回の確認問題や3回のまとめテストの点数を集計し,単位評価を終えていた。科目のページにも「素点合計 x点以上,単位評価S」など評価との関係を掲示していた。これに対してたいてい数件は成績の問い合せがあるので,1週間以上おいて正規の成績入力に取り掛かるようにしている。お盆明けには地方の学会報告もあるし,その後は秋の学会報告本文の執筆も控えているからだ。
先週,研究会に参加するため上京したが,研究会の前後は決まってドトールコーヒーやスターバックスなど会場近くのカフェに籠もっている。
また週末は自宅近くのカフェに日参した。
この間,秋の学会報告の構成を手直ししてみた。
大きく変えてはまた元に戻し,で一進一退状態だ。
気付いたこともいろいろあるが,それを一々組み込んでいては,全体が見渡しづらい。
しかし,一進一退の主な原因は,周辺的なことばかり細部を詰めて,肝心な論点について詰めないまま進めていたこと,避けていたことにある。
なぜ生産論で流通過程を論じなければならないのか,なぜ費用価格から流通費用を控除すべきではないか,ある程度は頭にあるが,まだ弱いように感じて文章化していなかった。これを詰めてゆかないと,報告の構成として座りが弱い。
敢えて難所に挑む必要がありそうだ。
2023年8月4日金曜日
平日上京
8月3日(木) オープンキャンパスの人垣掻き分けて12号館4階経済学部共同研究室へ。
14時より立教大学池袋キャンパスにて経済理論学会問題別分科会「現代の労働・貧困問題」主催の「現代日本の階級構造と貧困」テーマの研究会,。
報告は2件。
「現代日本における階級構造の変貌とアンダークラスの形成」 橋本健二(早稲田大学)
「労働力窮迫販売の日常化 ── 失業給付の制度圧縮と不安定雇用増大の相乗作用」 後藤道夫(都留文科大学名誉教授)
橋本先生の『新・日本の階級社会』や後藤先生の『ワーキングプア』はゼミでテキストとして取り上げたり,ゼミ生が卒論のタネ本に選んだりして,一時集中して読み,ノートも取っていたので私費出張。
橋本報告には,アンダークラスの前後について質問してみた。
1)われわれの教え子,男性事務職+課長以上の女子事務職が属する新中産階級は当然のこととして,課長未満の女性事務職及び男女正規技能職が属する労働者階級は貧困率も低く「貧困とはほとんど無縁」と2018年の経済理論学会共通論題報告では仰っているが(学会誌『季刊 経済理論』56-1,2019,p18),彼らの労働問題はどこにあるか?
2)非正労働者2千万人超に対しアンダークラスは900万人台とされている。差分の主婦パートは独立の階級なのか,それとも稼ぎ手の夫と同じ階級に属するのか?
これに対し,純粋に経済原論的視点から質問されていたのが,今秋の学会報告でも取り上げるO先生だった。敬服!