2023年6月9日金曜日

報告が決まって

 6月17日広島大学で開催される経済論学会西南部会で報告することが決まった。
 「特別剰余価値と超過利潤」だ。
(その後,秋の全国大会,経済理論学会第71回大会での報告も決まった。「特別剰余価値の超過利潤への統合について」11月4日,東北学院大学)

 その趣旨,意図を述べようとしたら更新がどんどん先延ばしになった。

 報告を申し込むときに記した報告趣旨は以下の通りだ。
『資本論』の第1部で展開されていた特別剰余価値概念を第3部の市場価値論における超過利潤概念統合して理解する試みは『資本論』研究の初期から散見された。最近,一部の教科書でも両概念の統合論が認められるようになった。しかし,統合された超過利潤の内容は全く異なる。報告では,最近の統合論の特徴とその理論的背景を明らかにし,経済原論研究に投げかける論点を考察する。
 
 新旧議論の対象は省く。
 問題は原論研究に名が書ける論点をどの程度検討するかである。
 最近の特別利潤論を取り上げ検討してみると,本来諸資本の競争態様を表わす超過利潤,特別利潤(常に変動し,マイナス値もあり得る)が新しい生産方法普及費用の社会的負担を表わし,そのためプラス値のみであり,やがて消滅する特別剰余価値のように理解されている。

 しかし,特別別剰余価値概念における位相混濁自体は既に昨年の全国学会報告でも全体展開の一部ではあったが,指摘したことである。
 その原論研究における影響を明らかにする必要がある。

 ここで足踏みを続けている。
 位相混濁を説くことで従来の原論研究上の諸論点に新たに光が差す,というだけで良いのか,
具体的な論点に踏み込んで私見を展開すべきか。

 前者だけでは,具体性に乏しいが,
後者まで踏み込むと内容が膨らみすぎる懸念がある。
問題提起と具体的展開に報告の論点が分れてしまう。

 この2,3週間,問題提起部の整理は進んでも,結論部分で足踏みが続いている。

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