2023年6月30日金曜日

報告の要旨を作ってみた

  学会の地方部会報告を終えて2週間。
 秋に発行する学会レター向けに報告の要旨を作成しろ,と命じられた。
 前便では,これを契機に部会報告後の方向性を占おうと宣言してみたが,何せ容量200字前後。
 注文直後,思いつくまま書き連ねたら2倍以上となった。
 解説部分は余計,と取っ払ってみてようやく196字。

最近,特別剰余価値が第3部機構論で超過利潤として説かれる傾向がある。正のみで経過的存在である特別剰余価値は終わりなき競争態様を叙述する超過利潤に解消するこはできないが,その背景には,剰余価値論の余剰論への組み替え,生産論=代表単数説等があり,資本の生産過程の主体は階級か資本か,資本は均質的な代表単数かバラツキのある個別資本か,生産論と機構論の違いはどこにあるかという問題を投げかけている。

 やはり関心は特別剰余価値,超過利潤そのものよりも,両者混濁を産んだ背景事情としての生産論の視角等にあった。

舵を失った部会報告

  部会報告から2週間。
 戻ってくると,学務に追われた。
 部会間際は報告スライド作成に専念したいとGW前後から作り溜めしてた講義資料が尽き,今度は学期末に向け作り溜めを始めた
 中間テストの採点に追われた。
 毎回復習問題を実施して3点配点するほかに,小テストを3階実施して残り60点を配点している。
 その2回目のまとめテスト,まとめシートの採点に追われた。(週末から週秋にかけていちばん履修者の多いまとめシートの採点が残っている)。

 種々の理由で忙殺されたが,結局は部会報告後の方向を決めかねていた。
 タイトルに忠実に特別剰余価値,超過利潤の研究を深堀りしてゆくか,
それとも当初の構想通り,生産論から特別剰余価値概念が駆逐されつつあるという観点から,生産論の立脚点,移送,視点を再検討するか,
決めかねていた。
 舵を失っていたようなものだ。

 最近になって部会方向のまとめ提出を求められた。
 これを機会に方向性を占いたい。



2023年6月18日日曜日

報告してみたが

  6月17日 経済理論学会西南部会で報告してみたが,結果は芳しくなかった,

 頂いた質問はその場でメモしているが,なんせ悪筆なので,一つ一つ思い起こせないものが多い。しかし,冒頭K先生が仰った「分かりにくい」がすべてであろう。

 K先生はその後続けて「特別剰余価値論を超理論へ統合するどどのような問題か生じるか」に絞るべきだ,と助言くださった。

 確かに報告タイトルは「特別剰余価値と超過利潤」なのに,それば前振りで,本題はそのことを通じて生産論の主体,視角の見直しになっているのは問題であろう。

 しかし,主眼点はやはり後者にあるのだから,後者にあるのだから,前者に特化する方向は取りがたい。
 前者の検討が後者の考察に役立つように展開を整理する必要がある。

 全国大会報告の予定稿締め切りまでに構成の見直し,検討事項の絞り込みが必要になる。


(翌朝ホテル近くの袋町電停から朝の散歩)

2023年6月9日金曜日

報告が決まって

 6月17日広島大学で開催される経済論学会西南部会で報告することが決まった。
 「特別剰余価値と超過利潤」だ。
(その後,秋の全国大会,経済理論学会第71回大会での報告も決まった。「特別剰余価値の超過利潤への統合について」11月4日,東北学院大学)

 その趣旨,意図を述べようとしたら更新がどんどん先延ばしになった。

 報告を申し込むときに記した報告趣旨は以下の通りだ。
『資本論』の第1部で展開されていた特別剰余価値概念を第3部の市場価値論における超過利潤概念統合して理解する試みは『資本論』研究の初期から散見された。最近,一部の教科書でも両概念の統合論が認められるようになった。しかし,統合された超過利潤の内容は全く異なる。報告では,最近の統合論の特徴とその理論的背景を明らかにし,経済原論研究に投げかける論点を考察する。
 
 新旧議論の対象は省く。
 問題は原論研究に名が書ける論点をどの程度検討するかである。
 最近の特別利潤論を取り上げ検討してみると,本来諸資本の競争態様を表わす超過利潤,特別利潤(常に変動し,マイナス値もあり得る)が新しい生産方法普及費用の社会的負担を表わし,そのためプラス値のみであり,やがて消滅する特別剰余価値のように理解されている。

 しかし,特別別剰余価値概念における位相混濁自体は既に昨年の全国学会報告でも全体展開の一部ではあったが,指摘したことである。
 その原論研究における影響を明らかにする必要がある。

 ここで足踏みを続けている。
 位相混濁を説くことで従来の原論研究上の諸論点に新たに光が差す,というだけで良いのか,
具体的な論点に踏み込んで私見を展開すべきか。

 前者だけでは,具体性に乏しいが,
後者まで踏み込むと内容が膨らみすぎる懸念がある。
問題提起と具体的展開に報告の論点が分れてしまう。

 この2,3週間,問題提起部の整理は進んでも,結論部分で足踏みが続いている。

2023年6月8日木曜日

疾風怒濤の4月が終わり

 5月1日公開したつもりが,下書きのままになっていた。

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 更新しそびれて1月以上経った。

 4月の初めは,新学期の準備を始めた頃にドラフトへのコメントが届き,その対応を考えていた。

 しかし,実際に新学期が始まると,講義自体は短く終わる初回ガイダンスからさまざまな問い合せへの対応に追われた。今年度は,数年に1度のローテーションであったコース科目の世話役が当たったり,これまで主指導教員として当たる学生がいない限り受講生がいなかった大学院科目を開講したりで,予定外に忙しくなった。

 その後は,昨年同様,中間テストの採点等で忙しくなるであろう6月半ばを睨んで講義資料の作り溜めに追われた。

 忙しい反面,規則正しい生活を送ることになり,スポーツジムもほぼ休むことなく通っていた。

 大学院時代の友人と出掛けていたGW旅行は,コロナ禍が終熄しつつある今年も見送られ,図らずも独りの時間が確保できた。

 5月分の講義資料はほぼ作り終えたので,このGWは,今日のような谷間の平日も,自分の関心を追求できることになる。
 時間ができると油断してしまうのかなかなか進まないが,おおよその方向が決まれば披露したい。