2022年9月5日月曜日

移ろい

  先々週末,先月28日,学会報告の予定稿を仕上げて以来,主に後期の講義資料を作成していた。
 報告は10月初旬だし,その後には解説記事の締切りが控えている。

 そこで,9月中旬に後期が開講する私学の講義資料,スライド動画を準備することにした。
  基本的には前年の講義スライドを基に不整合やわかりにくい表現を改め,データはより新しいものに差し替える。すると,スライドの補正,配布資料のアップロード,他方で動画ファイルの作成までに結構時間が掛かる。1日にせいぜい1コマ,無理をしても2コマである。

 夏期休業中といっても8月下旬からさまざまな学務が入っている。
 間隙を縫っての講義資料作りのため,提出した報告原稿は放置状態になっていた。

 ようやく先週末,報告スライドの作成に取りかかった。
 その1週間前に仙台経済学研究会で報告したときのスライドに手を加える形だ。
 すると,研究会報告から学会報告用原稿作成までの間に,報告の力点が経済原論体系に映っていることに改めて気付かされた。

 余剰論では,資本循環に即した搾取が示されず,余剰ないし搾取の普遍的根拠を示すに止まることは研究会報告でも触れていた。

 しかし,そのことが経済原論体系を大きく壊すという点は触れてはいてもそれほど重点を置いていなかった。

 学会報告原稿を詰めていく過程で,
・資本循環に即した搾取の欠如とは剰余価値論,価値論の欠如であること,
・また価値論の欠如する限り,宇野が始めた「資本の生産過程」(『資本論』第1部のタイトル)から流通論の分離独立の意義が曖昧になること,
・具体的には流通論と生産論との繋がりや生産論と機構論(競争論)との区分の意義が曖昧になること
に力点が移っていた

 1ヵ月先の報告に向けてこれらの点を詰めることになるであろう。(学務や解説論文の準備の合間を縫って)

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