火曜日ようやく抜刷到着。
28日は大型連休の前に発送しようと作業を始めたら午前中一般掛かった。
各位
この度,法政大学『経済志林』の河村哲二教授退職記念号に「マルクスのアソシエーション論とその制約」(を)寄稿しましたので,その抜刷をお届けします。
ベルリンの壁崩壊以降,旧来の共産主義体制とは異なるポスト資本主義像としてマルクスのアソシエーション論が着目されてきたのは周知のところですが,中には資本主義経済私的生産,物的依存関係,私的所有と位置付け,それを裏返しただけのよう論調が目に付くように思われます。
本稿は,マルクスが商品生産及びそれ以前の社会形態と対置させて将来社会を語っている『資本論』第1部冒頭商品論の「第4節 商品の物神的性格とその秘密」の叙述を検討し,将来社会を展望する対置論には重なり合う面がありながら微妙にズレた3つの視角が伏在しており,そのいずれも将来社会像の展望を狭めることになっていることを明らかにしようとしています。
マルクスは分かりやすくするために単純な二元論で将来社会を語っている面もありますが,そもそも生産過程が想定できない商品論で社会関係を論じているために単純な二元論にならざるを得なかったのであり,アソシエーションとしての展望を制約しています。
本稿は,昨年8月,故馬渡尚憲先生が始められた仙台経済学研究会および河村哲二先生が発足時より牽引されてきたSGCIME研究会での報告を元に,そこで出た質問,アドバイスを踏まえたものです。両研究会に参加された皆様に感謝申し上げます。
ご笑覧頂ければ幸いです。
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