2018年4月25日水曜日

先週のゼミ

 4月21日のゼミ,経済原論演習は,テキスト『財政危機と社会保障』第1章,T君の報告。

 テキストでは,一般歳出のうち社会保障予算が肥大化していることについて,社会保障そのものではなく,名目も社会保障「関係費」であるように,社会保障そのものというより,基礎年金への国家負担のように保険料負担を引き下げるために(「料金ダンピング」)特別会計の社会保障給付費に注ぎ込まれており,保険に税金を支出していること,低所得者に限定せず,注ぎ込んでいることを批判している。

 これはレトリックではないか。
・社会保障予算には,生活保護など社会保険以外もある
・社会保険を自己負担の民間保険と同列においている
 しかし,公的年金では,被用者保険の,基礎年金保険料と厚生年金保険料を分けて徴収していない。報酬比例で決まる
 (公的医療保険も)基礎年金だけの国民年金は定額。(公的医療保険は,被用者保険の場合,保険料は家族人員数で変わらないが,国保は,人員数も影響)
 被用者保険では,保険料を事業主にも半分負担させている。
 被用者保険の専業主婦(夫)は保険料が徴収されていない(第3号被保険者)
そもそも社会保険は,条件に合致すれば,強制加入であり,保険の種類も選べない。
・低所得限定ではないのは,上の保険料設定の仕組みが大きく関わっている。
 年金では,基礎年金に限定した保険料徴収は国民年金であるが,その加入者の6割超は無職及び厚生年金に加入できない短時間パートタイム労働者である。



 他方,ゼミ生からは,人口減少時代には,少子化対策にこそ税金を注ぐべきなのに,高齢者向けが大きいのは納得ゆかない,と。
 国際的にみれば,社会保障予算に占める家族手当の比率が日本は低い。
 高齢者に傾斜している社会保障費を「全世代型にする」という昨年暮れ総選挙での政権の公約は,その限りではもっともである。
 他方で,高齢者=定年後定期収入のなくなった者の生活の支援が必要であることに変わりはない。
 最低限必要な生活水準を想定したうえで,保険料と国庫負担の比率を検討すべきであろう。

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