2018年4月16日月曜日

ゼミのテキスト

 経済原論演習では,ゼミのテキストを「ゼミ生と相談して決める」としている。

 テーマを「現代の資本主義」に広げ,原論原論した研究書は扱っていないこと
何より報告する学生自身が関心を抱いていること
が肝心だからだ。
 ただ,本の表紙に付いている紹介文「腰巻き」だけで判断せず,本文にざぁっーとは目を通してうえで推薦することを求めている。
論述が専門的あるいは細かすぎて,推薦した学生自身が要約に苦心したという経験を踏まえてのことだ。

 今回は,こちらから,4月5日のアドバイザー懇談会(前学期の成績表配付の機会)のうちに,伊藤誠先生のベーシック・インカムに関する紹介記事や論文,あるいは書籍『入門 資本主義経済』(平凡社新書),橋本健二『新・日本の階級社会』(講談社現代新書),みわよしこ『生活保護リアル』(日本評論社)を挙げていた。

 4月13日 初回の演習で学生が挙げた書籍,計6冊はみな社会保障関連だった。
推薦する学生に書籍一つ一つを紹介して貰ったうえで,書籍を廻して,中身を見てもらい,最終的にテキストを決めることができた。

 鈴木亘『財政危機と社会保障』(講談社現代新書)

 しばしば時事問題についてのコメントが新聞に載っているので,著者の主張はある程度予想でき,必ずしも賛同しないが,何よりゼミ生自身が関心をもってくれた。

 ゼミのテキストはあくまで題材で,
 その要約や検討が勉強になるし,関連して他の文献や情報を種々調べることもまた勉強だ。
 今回のテキスト選択の際,前の週,私が推薦した記事,論文,書籍は一顧だにされなかったのは気に掛かるが,テキストが学生主体で決まったことにホッとしている。

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