更新途絶えた1ヵ月を箇条書き風に振り返ると,
- 今回コメントの少なかった論文徳ライトは後回しにして次の論文の構想に耽っていた。
- その内容は,混線している価値と価格の位相の整理
- 経済理論学会の問題別分科会「資本主義社会の基礎理論」では個々数年価値論が取り上げられているように,価値論,労働価値説の意義再検討の気運が高まっている。
- その中で,宇野派では価値と労働の関係づけの稀釈化,労働,生産に関説せずに商品の価値規定自体から価値ないし価格水準の安定性を導出する動きが出ている。
- その意図は,主流派経済学との対峙を念頭に従来の労働価値説理解に拘泥せずに価値論を見直すことにあるが,価値と労働の関係づけの稀釈化は,見方を変えると価値概念の肥大化であるから,価値概念を有さない主流派経済学との対峙,対話をかえって困難にしている。
- 労働との関係に触れない価値論は,労働ないし社会的生産とは無関係に,価値概念それ自体から直裁に価格現象を説明しようという試みであり,価値と価格を同一平面で論じることになる。
- 翻ってみると価値と価格の「次元の相違」を唱えてきた宇野理論の中に価値と価格の混線が見受けられる。
- こうした混線を整理し,価値論の肥大化を抑えない限り主流派経済学との対置は困難であろう。
- 論文のリライトについては
- 理解して貰えないのは,問題意識の違いが大きく寄与していると思われる。
- したがって,単に表現を丁寧にする,という表面的修正では済まない。
- 最終章の3つの論点それぞれについてこちらでは当然と思っていた理論背景,例えば,経済原論体系における流通論と生産論の関係,特別剰余価値概念と超過利潤概念との展開場面の違い,理論的役割の違いにまで遡って解説する必要がある。
- 論点をその問題構制も加えて解説することになると,全面的な書き換えが必要になり,場合によっては従来論じていた細部の割愛も必要になる。
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