学生の考えと懸隔を覚え,途惑うことがしばしばである。
担当科目が小難しい,ということもあるだろうし,学生とスッカリ歳が離れているせいもあるだろう。
前者に関しては,研究仲間から「難しいだろうと敷衍するから,学生には理解すべきことがさらに増えて混乱するのだ」「学部生には最初から理解は難しいので,重要なことを繰り返しとけば良いのだ」と貴重な?アドバイスを受けたことがある。
しかし,そこまで開き直る?度胸はない。
むしろ最近の学生に感じるのは,キストを発展,深堀した解説は,テキストに記されていない分,不安を感じるのではないかということだ。講義で理解が十分でないためテキストに当たろうにも記されていないのだから。
そこで,テキストを用いている「経済原論」では,今年度はなるべくテキスト,日高普『経済学』(岩波全書)に即して授業を進めようと思っている。
もちろん,昔から教養のテキストとして評判の本書をテキストに指定して以来,なるべく専門上の論争には立ち入らず,テキストに即して経済原論の体系を解説してきたが,そのため学問上の体系,方法論に当たる第1編は学生には難しかろうと,4つ章を端折って2回分にまとめて講義していた。他方,信用に属する第15章は昇進と銀行信用,商業資本の自立化と擬制資本と内容上込み入っているため,4回に分けて解説していた。
しかし,上述のように最近の学生はテキストに即さない講義に不安を持つのではないか,と考え,1章を複数回に分けるのはともかく,複数の章を1回にまとめて解説するのは止して,1つの章を最低は1回取ろうと考えている。
他方,「経済原論演習」では,いきなり内部労働市場の話は難しかろうと,ヨリ平易なテキストということで有斐閣アルマの『はじめての人事労務管理』を久し振りに指定してみた。
ところが,ゼミ生の関心を尋ねてみると,TPPや特定保護法案,新自由主義的政策や非正規雇用の増大など,現在の政治・経済上の風潮に懐疑的で,正に経済原論的だった。
結局,指定テキストに入る前に,伊藤誠『日本経済はなぜ衰退したのか: 再生への道を探る』(平凡社新書,2013)を取り上げることにしたのだが, 今更ながら,学生の考えはこうだろうと決めつけるのは禁物だ,と教えられた気がした。
4月10日 アドバイザー懇談会。アドバイザーとして受け持ち2年生,および専門ゼミ生と懇談会(アドバイザイ-として挨拶した後,前学期の成績表を渡し,修学上,生活上の留意事項を説明する)。直前まで真入ある以上に説明すべきことをあれこれ思い浮かべていたのだが,いざ始まると,マニュアルに記載されている統一的な説明事項をこなすので精一杯だった。
4月11日 授業開始。「経済原論」は金曜日朝一番(と火曜日2コマ目のゼメスター)。初回はガイダンス。例年使用している教室に空席が少なくないのが目に付く。難しいという評判が伝わっているのかも。ともあれ,テキストを用いている科目はテキストになるべく忠実に講義しようと思う。
その後,大学院演習は今後の打合せ。
午後「経済原論演習」。学生に伝えたのは,ゼミ限らず,自分の納得が得られるようにユックリ,ジックリ進もうということ。
4月12日 デイパック所って外出。
4月13日 休日には珍しく,夕方ジムに通った以外は,自宅にて講義の準備等。
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