更新が途絶えがちだが,構想が固まらないうちは明確な話ができない。
昨年後半,今もまさにそうである。
昨年は学会誌への投稿論文掲載が決まった6月末以降,次の論文の構想を練っていたが,結局結実しなかった。
投稿論文に対する査読意見に応えるため,関連文献を読み直している過程で浮かんだ疑問から,次の論文の焦点を可変資本概念の理解に置くことは割と早い段階で決まった。
可変資本は,労働力商品の購入に当てられた資本だから,労働価値説的には最も重要な概念の一つである。
にもかかわらず,形式的定義に以上の中身が認められなくなっている,形骸化している。
既に8月の仙台経済学研究会では「可変資本概念の変質」という報告を行なった。
可変資本規定形骸化の問題点として,搾取と収奪の概念的混淆,価値形成根拠の曖昧化を挙げていた。
しかし,搾取を合法則的な剰余取得に限定する誤解を冒していた。
何より視角が狭かった。
その後,可変資本概念を労働力と労働,流通と生産の切り分け・接合のポイントして捉えるようになったが,逆に問題が広がりすぎ,固められずに,文章作成に移らないまま年を越した。
更新が進まない状態が続きそうである。
謹賀新年
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