今年度,月曜日授業の15回目が割り当てられた2月10日(金)で授業がすべて終了。成績を締め切って単位評価が可能となった。ほとんどの科目で毎回確認問題を実施し,まとめテストも3回に小分けして出題しているので,素点合計の集計には時間が掛からない。2月初旬締め切りの来年度シラバス入稿を終えると,本年度の学務はすべて終了した。
すると,学務の合間を縫って報告や論文の構想を練ったり,それを認めた文章を練ったりした昨年半ばからほぼ半年間続いた忙しさが嘘のようにのんびりと時間を迎えた。昨年半ばから2つの学会報告,その前の予定稿の提出,論文執筆,解説論文,解説記事の執筆を1,2ヵ月単位で順にあるいは並行してこなしていたときにはこんな状態は全く想像できなかった。
そこで,昨年末より気になっていた生産論の位置付けについて考える時間を得た。
といっても,まだ論文のプロットも思い浮かばない。材料集めの段階(そう考えると気が楽)。
勉強になったのが若手研究者,中堅研研究者の生産価格や市場機構・市場組織に関する論文。
いずれも経済原論では,第3篇競争論ないし市場機構論の論点。
またいずれも流通過程の不確定性の処理がテーマ。
まだまだ当たるべき、言い換えると勉強すべき関連文献は多いが,
現時点で気になったことは,
- 扱われる市場機構は第3編全体を通して確立されるのではないか(第3篇冒頭では個別産業資本しか登場しない)。言い換えると,
- 第3篇冒頭の利潤率ないし生産価格の設定は暫定的なもので,銀行資本,商業資本が登場する段階ではまた別の規定もあり得る。
- 「流通過程の不確定性」と対置される「生産過程の確定性」は理論的にどの段階で何を根拠に規定されるのか(第2篇生産論か第3篇機構論か,普遍的特性か資本主義的か)。
新学期が始まるまでの短い時間でどこまで検討できるか楽しみだ。