2023年12月30日土曜日

貧困の所在

  更新が大幅に遅れた。
 学会報告を文章化することに難渋した。
 報告本文は9月中旬に提出していたし,そこでは詰め切れなかったこと,主に第3節も報告直前の1,2週間でかなりの程度練り上げた,と思っていたが,いざ文章にするとそう簡単には行かなかった。その他,報告後に回していた学務のことなどが降りかかって。。。
  その後も学務中心だった。1風邪で発熱風邪で発熱はなくても咳が止まらず2,3日静養せざるをえなかったという計算違いもありつつ,ようやく昨日3つ目目の採点を終えた。

 しばし時間ができたので改めて今後の研究を考えてみた。
 これまで発表した研究とは無関係,唐突に見えるかも知れないが,最近の関心を端的に表現すると,「貧困の所在」ということになる。

 これも最近ずっと頭をもたげていた問題でありながら,現時点ではまだ簡明には示せないので,箇条書きにしてみる。(ここまで記して3日経った。当たり前で,まだ詰めてもいないことを説明しようとするから足踏みして進まない。そこで無責任だが,終わりがない。現在の関心を結論風に示す)

  1. 現在,格差拡大とともに「貧困層の拡大」が喧伝されているが,内実は一様ではなく,資本・賃労働関係に起因するのは独身非正規雇用,特に女性が中心ではないか。
    炊き出し参加者増は単なる賃上げでは解消し得ない。丁寧な就労支援が必要。「下流老人」も年金等,社会保障の制度設計の問題。橋本健二早大教授のしてきされる「アンダークラス」とはパート主婦,学生バイトを除いた1千万人弱の非正規雇用であるが,うち高齢者は年金収入があり,貧困率は低い。59歳以下の非正規雇用も,女性の貧困率の方が著しく高い。
  2. 橋本氏は新中間階級(男性事務職,女性管理職が含まれる),労働者階級(男性ブルーカラー+平の女性事務職)を「貧困とは無縁」と位置付けられているが,では彼らはどこに問題を抱えていないのか。
    もちろん,働き方に裁量性が乏しいこともその1つであろうが,やはり「貧困」とは言えなくても,分配問題はあるであろう。それが大きな声にならない(もちろん労組は賃上げを第一に考えてはいるだろう)のは,彼らが収入を世帯単位で捉えているからではないか。
  3. 最初の女性単身非正規雇用の貧困も上の問題が根柢にあるのではないか。
    後藤道夫都留文科大学名誉教授は1990年代末の日本経済における大量リストラを背景に,90年代後半までのワーキングプアが日本型雇用とは無縁で生活保護と労働市場の間を行き来する存在であったのに対し,「日本型雇用の解体」によって生じたのが「現代のワーキングプア」と指摘された。しかし,その後の景気回復に合わせて,その対象を賃金が年功的でなくなったブルーカラー職業群に限定された。後藤氏は元々「日本型雇用」のメルクマールを新規一括採用,長期勤続,年功序列型賃金の3点に求められていたため,その解体論を事実上撤回することになった。
    ところで,日本型雇用の他の側面に「男性片働き型モデル」がある。女性は一般職として入職しても結婚退社し,その後は家計補助的パートに止まるものと想定されていたは家計補助を目的とする就労は,「年収の壁」を意識して「就業調整」する存在であり,「安い労働力」として重宝されることを受け容れてきた面がある。当人たちも,配偶者の年金賃金と併せた世帯収入で考えると,「貧困とは無縁」の生活であったからであろう。
    しかし,女性の社会進出の進展や若年層の未婚化,晩婚化の進展を考えると,世帯賃金が妥当性を有するとは思えない。
  4. つまり,「現代のワーキングプア」は日本型雇用が解体したからではなく,ワークライフの変化にも関わらず,未だ解体していないからこそ発生したのである。

2023年11月5日日曜日

講義資料の補充

  11月4日,価値論分科会出の報告を終えた。
  コメンテーター及び質問した下さった先生方にはお礼を述べたい。
 頂いた質問票(質問者による質問の要約)を参考にさらに内容を練ってゆきたい。

 しかし,この間ずっとこの件に没頭していた。
 6月西南部会の準備から,8月研究会報告,9月半ばの報告本文の提出,そして今回の準備とずっと追われてきた。第3節の論点設定がなかなか決まらなかった,迷走を続けたのでその感が強い。

 今回の報告のために作り溜めしていた講義資料も,ストックがほぼ尽きた。
 しばらくは講義資料の補充を進めながら,今回の報告を整理することにしたい。

2023年10月30日月曜日

報告レジュメ提出

      告まで残すところ1週間もかない。

 前回10月12日の投稿を読み直すと,もう既に構成は固まった体でろうろうと論点提示していた。

 ところが,その後,関連文献を読み返していて不十分と感じる点が多々出てきて立ち往生していた。


 ともあれ,今朝,コメンテーターをお願いしていたY氏にスライド配布資料を提出し,後は論点毎の文献を読み返し論旨を整理するくらいとなった。

2023年10月12日木曜日

報告予定稿の整理

 先月19日締め切りの学会報告予定稿は直前まで最終第3節の構成に迷っていたため内容も文章も練る時間が足りなかった。
 そのため,後で読み返すと,誤字脱字が混じっているばかりでなく,浅い叙述になっている。

 学会報告の骨子はこうだ。

  1. 最近の経済原論概説書では,特別剰余価値を第2編生産論の相対的剰余価値論では説かず,第3部機構論の市場価値論で超過利潤として説かれる傾向がある。特別剰余価値規定を超過利潤と統合する見解はかねて認められていたものの,こんちの統合論は,超過利潤を新生産方法の普及とともに消滅する,すなわち新生産方法の普及費用と捉えている点に特徴がある。
  2. 新統合論は,経済原論体系という視点に立つと,生産論の構成に大きな問題提起をしている。すなわち階級視点か個別資本視点か,個別資本は同質的な代表単数かバラツキのある資本か、個別資本視点とすると,同じ個別資本視点である第3編競争論ないし機構論との位相差はどこにあるか。
  3. 両者の位相差は,機構論は競争の態様を叙述しているのに対し,生産論は資本による社会的再生産編成という到達点が予め設定されている点にある。

 新統合論検討の意義を経済圏論研究上の具体的論点に即して示すというのが第3節の趣旨なのだが,その論点選びに難渋し,6月の西南部会報告では具体的に示せなかった。8月の仙台経済学会報告では,利潤率における流通費用の捨象問題の検討に充てたが,まだ理解が浅く結論も明確ではなかった。さらにその後,下旬の研究会行脚のうちに他の論点に関心が移り,迷いが生じた。

 提出した予定稿では,再び第3節で流通費用捨象問題を取り上げることにしたが,時間不足で練りが不十分だった。

 したがって,提出後もその内容を詰めていく作業が続いた。

 今のところ次のように考えている。

 利潤率算定における流通費用捨象論者もその批判者も,費用と成果との間の量的技術的確定性/不確定性を,①生産過程,流通過程を分ける属性として捉えている,②費用の計上可能性/不可能性の基準として捉えている点では共通している。

 しかし,既に拙著『生産的労働の再検討』において説いているように,①生産過程にも調整効果など不確定的な労働がある反面,流通過程には保管,運輸など確定的労働もある。②費用計上可否の根拠は労働の定量性であって確定性ではない。生産的労働は確定的なものも不確定的なものもあるが,目的に対し手段的に追求されているため,一様に定量性を有する。,

 流通費用問題に関する混乱は,第2編生産論の課題,資本による社会的再生産の包摂,言い換えると社会的再生産における様々に種差的な労働の編成を正面から説いていなかったために,第3編機構論の費用価格問題として扱われたことに原因がある。その意味では2節までに説いた特別剰余価値論の超過利潤への統合論の問題と同じである。

チャリで

  10月12日 先週は降雨がちなので,晩翠草堂前までバス,その後歩いてみたが,今日は天気が良いので,初めて自転車を利用して非常勤講師先の土樋キャンパスまで通学?してみた。

 宮城学院女子大を加え三大学合同ゼミではしば自転車を利用していた。
 街並みは変わらないが,車道の一番外側に自転車レーン>を示す青色マークが付いたぐらいだ。
 トライしてみると20分少々で到着。
 癖になりそうだ。


塩味しか残っていなかった

  10月10日 久しぶりに球場へ。
 学会準備が整っていなかったためBS放送さえ観る予定はなかったが,楽天イーグルスの最終試合は,勝てば,勝ったときのみAクラス入り=クライマックスシリーズ進出が決まるとあって,急遽球場へ。



 しかし,序盤からエラーやソロHR被弾などで失点を重ねる一方,チャンスは活かせない攻撃のため,双方のCS参がを掛かっている割には一方的な試合,塩っぱいになってしまった。

1シーズンを通してほぼBクラスに安住していたチームらしい試合。
戦力,戦術見つめ直して来季に臨んで欲しい。

2023年9月26日火曜日

後期の準備

 更新が途絶えた。
 9月19日まで秋の学会報告予定稿の成に追われていた。
 報告の大筋は6月の西南部会でも8月の仙台経済学会でも報告済みであり,既にスライドはあるのだから,文章にするのにそんなに時間は要しないだろうと,9月第2週にようやく筆を執った。
 しかし,執筆は遅れたのは,2度の報告後も,細部の構成に迷っていたからであり,執筆開始後も迷走した。

 その細部については専門的な話なので別の機会に譲るが,11月4日の報告までに報告のあちこちでもっと勉強して補強しなければならない。

 その前に,現行優先で後回しにしていた後期の授業準備をする必要がある。